中学受験

中学受験 御三家に合格する子の育て方 公文式のメリットとデメリット

2017年12月24日

御三家や灘中学などの難関中学と呼ばれる中学への受験を考えている場合、通常新4年生からの通塾がセオリーになっていますが、その前段階として、通信教育やくもんに通わせる方も多いかと思います。

特に中学受験は算数で決まるというのは広く言われている事であり、計算力が鍛えられるくもん式に魅力を感じる方は多いかと思います。

今回はその『くもん式(算数)のメリットとデメリット』について考えたいと思います。

私はつい昨日まで、

くもん式は不要。むしろ難関中学合格には弊害(デメリット)の方が大きい。

と考えていました。

が。昨晩1冊の本を読んで腑に落ちる部分があり、条件付きではありますが、

くもん式に行かせる事のデメリットよりもメリットが上回るかもしれない、とも思い始めました。

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私の中学受験体験記

まず、私は中学受験体験者です。

詳しくは 中学受験 小学6年スタートで偏差値65の中高一貫校に合格した話

の記事を読んで頂ければと思いますが、

御三家桜蔭を第一志望に小6から勉強を始めたが、撃沈。

滑り止めの偏差値65の中高一貫校に合格。

勉強時間の8割を算数に費やしたものの、最後まで足を引っ張ったのは算数の図形問題だった。

というのが私の大まかな経緯です。

なぜ公文式が不要と感じたか

私は公文式に通った事はないのですが、計算力を鍛えるために、1日50枚~100枚の計算プリントを小学1年の1年間続けた事があります。

くもん式に勝るとも劣らない、強烈な反復演習です。

詳しくは → ビリだった計算速度が1ヶ月で学年で1番早くなった方法

 

おかげで計算の速さは学年1位。

学校内レベルの算数の問題であれば小6まで無双出来ました。

『速さこそ正義』という刷り込み

が!

情報処理力は磨かれたのですが、

速さこそ正義。という価値観にどうしてもとらわれてしまい、

ケアレスミスが算数に限らず、全科目でよく見られるタイプでした。

ケアレスミスは母親に何度も何度もしつこく注意されましたが、本当になかなか直りませんでした。

それほど速く解ける事への執着快感に魅せられてしまっていました。

速く解けない問題へのフラストレーション

また、中学受験に挑戦を始めると、算数の思考系問題、いわゆる補助線を引いて試行錯誤する力が問われる図形問題で本当に苦労しました。

図形問題に計算力はそもそも要らない上、数字や瞬発力で勝負してきた自分にとって、数式の組み合わせでは解けない問題に粘り強く取り掛かる事が苦痛でしかないのです。

 

答えを導き出せない

でも答えが早く知りたい

解答を見る

結果、自分で考えて解く経験が出来ないまま次に進む

更に難易度が上がればますます答えが導き出せない

 

という悪循環にハマってしまっていました。

御三家・灘などの難関校の出題傾向 情報処理力 < 思考力

御三家や灘中学の過去問を見て頂ければ分かるかと思いますが、図形問題の多い事多い事。

半分以上が図形問題だったりします。

御三家・灘中学の入試問題を見れば、難関中学が求める子供というのは

『情報処理力がある子よりも思考力がある子』というのが感じ取れます。

むしろ、情報処理力はあって当たり前、という感じなのかもしれません。

情報処理力よりも思考力が大事。よって公文は不要

自分の実体験から、情報処理力よりも思考力を鍛える方が大事。

公文式に通うことで、御三家算数に必須な思考力を伸ばす弊害になる。

よって公文式は不要。というのがこれまでの私の考えでした。

でも、くもん式やってる子多いよね。WHY?

でも御三家・灘中合格者の中で、くもん式に行っていた子は少なくない人数います。

くもん式のデメリットをどうやって払拭しているんだろう?

というのが私のずっと抱いていた疑問でした。

有名中学に合格した子の親がやっていること

そんな中、一冊の本と出会いました。

この著者はまじで化け物です。

灘校→東大→東大大学院→国家公務員試験一種2年連続合格→NHKアナウンサー試験→医師国家試験→政策秘担当秘書資格→衆院議員公設第一秘書→東大大学院医学博士取得と、名だたる難関試験をすべてストレートで合格してらっしゃいます(笑)

もう凄すぎて、(笑)、をつけるしかないです。(笑)

中学受験も小6からの通塾。

入塾当初は一般クラスからのスタートで半年で灘中受験クラスに昇格し、受験直前にはそのクラスでトップ。

順当に灘中に合格した、との事。

ご自身で言い切っていますが、小学5年生まで地頭をしっかり鍛えたから、できたそうです。

SU・GO・SU・GI!!

情報処理力と思考力は同時に稼働させるとパフォーマンスが低下する

さて、そんな著者が本の中で情報処理力と思考力の違いについて言及しており、ここの記述の部分が私が抱いていた疑問に答えを出してくれました。

 有名中学の算数の入試問題で合格点をとるには

 正確で早い『情報処理力』

 論理的で柔軟な『思考力』

という2つの力が必要不可欠です。

この2つの力は、別々に鍛えていくのがポイントです。ゴチャ混ぜにしてしまうと、どちらも中途半端になります。

算数には、正確で速い情報処理力を問う計算が中心の問題もあれば、図形に補助線を引いて解くような柔軟な思考力を問う問題もあります。

~中略~

 では、情報処理力と思考力は何がどう違うのでしょうか?

この2つの違いは、人間の生き残る知恵に基づいていることが米ノースカロライナ大の研究で明らかになっています。

~中略~

 このように人間の脳は思考力と情報処理力という異なる脳機能を分けて管理し、状況に応じてどちらかを集中して働かせるようにできています。思考力と情報処理力は片方が高まればもう片方が低下するようにコントロールされているのです。

そのため、2つの力を同時に稼働させようとするとパフォーマンスが著しく低下します。

やっぱりかー!!だよねー!!!私が思ってた感覚、間違ってなかったわー!!!

と感じたのは言うまでもありません。

そして、著書は更に続けて、情報処理力と思考力の鍛え方について言及しています。

情報処理力の鍛え方については、くもん式のメソッドに似通った所がありましたので割愛します。

思考力を高める方法

 思考力を高めるには、「制限時間を設けず、競争もせず、難しい問題にじっくり取り組む事。」

小5までは1問につき1~2週間、ときには1カ月かかってもOKです。

なるほど、私こんな事は一度たりともやった事はありません。

この文を読んで、敗因のひとつを見つけた気がして、こう言うとおかしいですが嬉しかったのです。

私が難問に取り組みだしたのは、受験勉強を始めた小6からで、1~2週間もひとつの問題にじっくり時間をかける時間的余裕は既にありませんでした。

算数はもっと早くからやっておきたかった、と受験後に感じていたのは間違っていなかったんだなーと。

難しい問題にじっくり取り組む場合、難易度が高く中学受験コースにも対応しているZ会などの通信教育を取り入れるのも良いかと思います。

くもん式の上手な取り入れ方

情報処理力を高めるツールとして、くもん式を取り入れるのは間違いではないと言えます。

しかし、情報処理力だけでは受験を乗り切れるわけではない事を前提におき、別途思考力を高めていく必要があります。

また、情報処理力を高める方法はくもん式である必要はありません。市販のドリルをコピーして反復したって良いのです。

小学校低学年までに、中学2~3年レベルにまで到達できれば武器になる

が、もし小学校低学年までに、くもんの進度が中学2~3年レベルにまで到達した場合、連立方程式を扱えるようになっているはずですので、これは中学受験においてはひとつの武器になる可能性があります。

中学受験では方程式を使ってはいけない、と言う方もいますがそれはウソです。別に方程式で解いても大丈夫です。

基本的には方程式は中学で習う範囲と言うことで、大手塾では方程式の代わりに、面積図という解き方で教えるのがセオリーになっています。

私の場合は受験の準備期間が短かったのもあり、方程式以外覚えなくていい、という個人塾の塾長からの指示があったので、面積図の扱いは不慣れなのですが、面積図でも方程式でもどちらでも解ける、というのは武器になるんじゃないかなぁと思います。

もしかしたら混乱する子もいるかもしれませんので、その辺は自己責任でお願いします!

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ポジショントークのない中学受験本として一読の価値あり

私はこれまで中学受験関連の本を20冊前後読みましたが、大体の著者が

  • 塾経営者
  • 家庭教師
  • 受験者当人(又は家族)

のいずれかに該当します。

当然ながら、塾経営者や家庭教師の方が書いた本はある程度、塾寄りの発言だったりと、ポジショントークがある事を前提に読む必要があります。

また、受験者当人や家族の体験記は、その家族内の1データでしかない、というのを踏まえる必要があります。

 

今回ご紹介した本の著書は、中学受験者をターゲットにした心療内科という『医師』の立場からの本になります。

ご本人が超絶受験に強いタイプですのでそれを差し引く必要がありますが、塾に行く事のデメリットをこれだけ堂々と詳細に書ききっている中学受験本はなかなかお目にかかれません。

また、御三家の過去問を沢山例に出し、御三家はガリ勉は求めていない、むしろ来てほしくないのだ、という事も繰り返し言及している点も中学受験を体験した物としては凄く共感しました。

ほんとね、御三家行くタイプって勉強以外でも何度でも出来る子ばっかなんですよ~。

塾のカリキュラムにどのようについていくか、という受験本が多い中、家庭でどのような勉強や体験をさせるべきか、というのを中心に書かれています。

今回本の中から引用させて頂いた思考力の高め方についても更に詳しく載っています。

私も初めての情報が沢山あった本なので、中学受験、特に難関校を視野に入れている親御さんはぜひ読んでみてください~!

まとめ

難関中学合格を前提に、くもん式の上手な取り入れ方まとめると

  1. くもん式で強化できるのは情報処理力のみという事を理解しておく
  2. 情報処理力のみを強化すると、著しく思考力が低下する可能性が高いのでそのフォローをしっかりする事が重要
  3. くもん式で連立方程式まで先取り出来た場合は、中学受験において武器になる可能性がある

この3点を理解しておくと、くもん式をより良く取り入れる事が出来るかと思います。

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  • この記事を書いた人

すみれもん

7歳と4歳の姉妹を子育て中の主婦。 MENSA会員。 『思考力』重視の子育て。 子供達には知識その物を教えるよりも考えたり、調べたり、自分で色々やってみたりする事を伝えたいです。 詳しいプロフィールはこちら> 自己紹介*このブログについて  ツイッターやってます >ツイッターはこちら

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